アロマを学び始めた頃、正直に言えば
「これは、かなり使える」と思っていました。
香りで気持ちがゆるむ。
空間の雰囲気が変わる。
眠りやすくなったり、落ち着いたりする。
学びの中で触れる事例も、どれも納得感がありました。
でも、実際に相談を受けるようになると、
少しずつ違和感を覚えるようになりました。
おはようございます。
嗅覚反応分析士トレーナーの
八木佳織です。
今日は、私はアロマが大好きですが
そんなにしょっちゅう使うわけではありません。
嗅覚反応分析士であれば
そういう人も少ないくないのではないかと思うのですが
今日はアロマセラピストであり
アロマの講師をしているのに
私がそんなにアロマ(精油)
ばかりに頼らないのか
ということをお話しできれば
と思います。
不穏・夜間覚醒の対応が「正解探し」になってしまう理由
https://familyhealthmgr.info/seikaisagasi/
目次
「同じ不調」でも、理由は全然違う

介護の現場でも、家庭でも、
「落ち着かない」「眠れない」「怒りっぽい」
という言葉はよく聞きます。
でも、その背景を一つひとつ見ていくと、
同じ理由の人はほとんどいません。
・環境の変化が負担になっている
・身体の不快感をうまく伝えられない
・生活リズムが崩れている
・刺激が多すぎる、逆に少なすぎる
表に出ている行動だけを見ると似ていても、
その人の中で起きていることはまったく違う。
「癒しの香り」を使えば落ち着く、
という考え方だけでは、
すぐに限界が来ました。
精油選びに自信が持てなかった理由
薬理作用の勉強もしました。
落ち着かせる作用を持つ精油は、
確かにたくさんあります。
でも、
「この人に今一番必要なのは、どれだろう」
そう考えれば考えるほど、
選択に自信が持てなくなっていきました。
自分の中ではっきりした根拠を
持てなかったんです。
同じ作用を持つ精油が複数ある中で、
なぜそれを選ぶのか。
説明しようとすると、
どうしても「一般的には」「よく言われている」
という言葉が増えていく。
それは、介護現場で説明するには、
あまりにも心もとない感覚でした。
ケアマネだった時に知りたかった…
私は以前、居宅のケアマネジャーとして働いていました。
その頃は、アロマも嗅覚反応分析も知りませんでした。
でも今振り返ると、
「もしあのとき、嗅覚反応分析を知っていて
状態を整理して見る視点があったら」
そう思う場面がいくつもあります。
いわゆるBPSDと呼ばれる行動も、
認知症の仕方のない症状として
片づけられてしまいそうになる場面。
でも実際は、
その人なりの理由があって、
そのときの“状態”として表に出ているだけ
というのは介護のプロにはわかっています。
それでも、何が原因かの見当をつける
というのだけでも、わからないことだらけでした。
だから、その人の状態を見る
ということができていたら…
現場でお世話をしてくれる方や
24時間一緒に過ごしておられるご家族
もちろん、一番困っているのはご本人。
みんなが少し、楽になる方法が
わかっていたかもしれないと思うんです。
嗅覚反応分析に出会って、変わったのは考え方
嗅覚反応分析に出会ったとき、
一番衝撃だったのは「精油の選び方」そのものよりも、
その人の状態を、先に確認する
という考え方でした。
香りを選ぶ前に、
なぜ今そうなっているのかを整理する。
気質や傾向、身体の使い方、生活の偏り
ということもありますが
今、体の中でどういう状態になっているのか
ということの予測ができる、ということなんです。
そこを見た上で、
「じゃあ、香りを使うならどうするか」
「香り以外でできることは何があるか」を考える。
アロマが中心ではなく、
人が中心に戻った感覚がありました。
独りよがりで決めるのではなく。
施設でのアロマケアも、
最初からうまくいっていたわけではありません。
職員さんと一緒に
「これは負担にならないか」
「この時間帯ならできそうか」
「逆に刺激にならないか」
いろいろ話し合いながら、
調整を進めていきました。
その調整の中には
ご本人にとって何がいいか
だけでなく
施設の運営上やっていけるか
という視点も入っています。
これは、ケアマネ時代にも
いつも意識していたことですが
担当の利用者さんにとってベストなことで
やってほしいと思うことであっても
デイサービスやショートステイなど
施設が絡む場合は特に
その施設のタイムスケジュールや
人員配置などの都合で
できればやってあげたいけど
対応しきれないです。。。
ということもあると思うので
施設の方の負担にならないように
というのとご本人ために
できるところの兼ね合いを
探るようにしているんです。
そういうのって、私の中では
すごく大事なことだと思っているんです。
無理なことを「やってください!」
って言われたとして
無理に対応してくれることになっても
「いいのはわかるけど…しんどい」
っていう気持ちって
どうしても持ってしまう
と思うんです。
できるだけのことをしよう
そう思ってくれている施設の方が
ほとんどなので
それで無理をしてしまって
しんどくさせてしまったり
ケアの質が落ちてしまったり
ほかの方へのケアに影響が出たり
そういうことって
良いケアを続けていくのに
ひずみが出てしまうことだと思うんです。
だから、どうしても、一時的に
というわけでなければ
無理をしてもらう、というのではなく
無理なくできる部分はどこまでか
というのを、一緒考えていく時間を
大切にしたいと思っています。
今思えば、これまでも
「何を足すか」よりも
「何が今、負担になっているか」を
一緒に確認していた時間だったように思います。
普段お世話をしている職員さんからの言葉
ある時、職員さんから
こんな言葉をかけられました。
「最近この時間帯、
前ほどざわつかなくなったんですよね」
他にも管理者さんから
「記録を見ると、対応にかかる時間が少し減っている」
と言われたこともあります。
「何かをした」という感覚は強くなく、
日々の関わりの中で起きていた変化
とのことでした。
こういう経験を通して
今必要なことを整理していくって
目立たないけど
とっても大切なことなんだ
と強く思うようになっていきました。
・声かけ回数が減った
・職員さんが立ち止まる場面が少なくなった
・表情がこわばる時間が短くなった
・周囲の空気が、少し静かになった
・夕方以降の落ち着かなさが記録上減っていた
・声かけへの反応が変わってきた
・ケアに入る職員さんの表情がやわらいだ
どれも小さなことです。
数字で劇的に示せるものでもありません。
何が結果を出したのか
これは、とても大事な点ですが、
これらの変化が
「香りだけの影響だった」とは言えません。
関わり方が変わったこと、
環境を少し調整したこと、
職員さんの声のトーンや間合い。
いろいろな要素が重なった結果です。
ただ、そのきっかけとして
「状態を整理する視点」があったことは、
確かだったと思います。
介護の現場では、
行動が「性格」や「病状」として
受け取られてしまうことがあります。
でも実際には、
その時の身体や環境の影響を
強く受けていることがほとんどです。
状態は、変わります。
だから、関わり方も変えられる。
そう考えられるだけで、
ケアする側の気持ちも、少し楽になることがあります。
アロマは「選択肢の一つ」でいい

今、家族として義母の認知症ケアに
関わる立場になり、この視点の大切さを
また別の角度から感じています。
アロマは、確かに有用です。
香りが広がることで、
場の空気が和らぐこともあります。
でも、
毎日ケアにあたっている職員さんにとって、
「特別な人がいないとできないこと」
は負担になることもあります。
だからこそ、
その場にいる人が、今日からできること。
香りがなくても考えられること。
そうした選択肢を一緒に整理できることが、
現場にとっての支えになるのではないか。
今は、そう考えています。
私がアロマを「癒し」だけで使わなくなったのは、
アロマを否定したからではありません。
むしろ逆で、
ちゃんと活かしたいと思ったからです。
その人を見て、
その時の状態を考えて、
無理のない関わり方を探す。
ただ「癒すために使うもの」
だけにしてしまうと、
見えなくなることがある。
その人の状態。
ケアする側のしんどさ。
現場で積み重なっている工夫。
それらを一緒に見直すための“視点”として、
嗅覚反応分析は、私にとって心強い道具になりました。
誰かを変えるためではなく、
その人を理解し直すために。
そんな使い方が、あってもいいのではないかと思っています。
※※※※※※※
今日の情報が、
読んでくださっている方の
参考になることを願っています^^
それではまた、明日このブログ
でお会いできたら嬉しいです。
八木 佳織
この記事を読んで、
「うちの施設のあの方に、少し似ているかも」
と感じた部分があれば、
30分ほど、状況を整理するお話もしています。
今すぐ何かを始める前提ではありません。
考えを整理するだけでも大丈夫なので、
必要なタイミングでご相談ください。
https://www.reservestock.jp/pc_reserves_v3/courses/22308?course_id=155161
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