今日は、嗅覚反応分析を10年続けて実感した
「香らす」だけじゃないアロマの使い方について
お話しします。
香りから脳へ、の経路だけでなく
皮膚から血流へ
体全体に寄り添うケアのヒントが
見えてきたお話です。
【前の記事】
アロマを学んだのに、アロマを「癒し」だけで使わなくなった理由
https://familyhealthmgr.info/aroma-no-iyasi/
目次
香り中心だったアロマケアのころ

アロマの世界に足を踏み入れた当初は
「香りをかぐ」ことが中心でした。
ディフューザーで空間に香りを広げたり
ハンドタオルに落としたり。
トリートメントの場面では精油をキャリアオイルに
混ぜて肌に馴染ませていましたが
配合濃度は1〜2%程度と低めで
主にリラクゼーションを意識していました。
その頃は経皮吸収による薬理作用を
頭では理解しつつも
「香りで心を穏やかにする」のがメイン。
体全体にしっかり成分を届けて作用させるほどの期待は
正直あまりしていませんでした。
香りの揮発成分が鼻から脳に届き
感情や自律神経に働きかける。
そんなイメージが強かったんです。
もちろんそれは間違いではないんです。
でも、それだけではないことも
学びを深めるにつれてわかってきました。
嗅覚反応分析を学んで変わった視点
嗅覚反応分析を学び始めたのが転機でした。
一般的なアロマケアではあまり推奨されない
「塗布ケア」を、分析手法の中で体系的に
取り入れる方法を身につけたんです。
精油の希釈濃度を状況に応じて調整し
塗布部位を意識的に選ぶ。
吸収されるということは
「香る」方法よりも体に影響
を及ぼす部分が大きくなります。
だから、成分の特性についても
しっかり勉強しました。
アロマの学校で習ったときは
チンプンカンプンだった精油の成分の
名前も働きも、嗅覚反応分析の
理論を使えば簡単に身に付きました。
それまでは「香り=嗅覚刺激」と
単純に思っていましたが
分析を通じて
「皮膚から血流に乗る経路」
の存在がクリアになったんです。
揮発性の香気成分が嗅覚から脳に届き
心や神経に届く一方で
皮膚バリアを通過して血流にのった
成分は筋肉や循環にじんわり寄与する。
そんな二重の働きがはっきりと見えてきたんです。
施設ではスプレーと薄めのトリートメントが主役
施設で認知症フロアに関わっていたときは
嗅覚反応分析を使ってスプレーや
濃度薄めのトリートメント(1〜2%程度)
を実践していました。
嗅覚反応分析を学び始めたばかり
ということもあり、また
施設特有の事故を防ぐためにも
濃度は低濃度にして使っていました。
分析でその方に今必要な香りを特定し
空間に軽く香らせたり、手足に優しく塗ったり。
学び始めたばかりの手探り状態でしたが
高齢者の方々の夜間覚醒が減少し
転倒につながりそうなふらつき場面が
目立たなくなっていきました。
ただアロマを使っただけではなく
今の状態を分析して選んだ精油
だからこそ起こった身体的な変化が、そこにありました。
自分や家族、お客様への高濃度レクチャー
一方、自分自身や家族、お客様に対しては
嗅覚反応分析を基に高濃度(20%程度)の
塗布ケアを実践・レクチャーしてきました。
お客様の場合は、必ずご本人の「どうしたいか」を聞き
自分でブレンドや塗布をしてもらう形にして
塗布もご自身でしていただきます。
私が見ているところでするのではなく
ご自身が塗布したいと思ったら
その方法を試していただくという
スタイルです。
塗布という方法はそれなりの知識がないと
リスクもついてきます。
だから、塗布のメリットデメリットをお話しして
濃度の目安をお話しし、ご自身がどの程度
精油を使いたいかというのを考えて
濃度を決定したり塗るかどうかの
判断をしてもらっています。
その判断をするために
嗅覚反応分析と私という専門知識を
提供しているという感じですね。
塗布のほうが効果的な場面
例えば急な肩こりや打ち身・のどの痛み
などでは、塗ったその場で一瞬で
体が反応するような変化を感じることがあります。
今、我が家では薬箱の代わりに精油が並んでいます。
ここ数年、眼科以外にかかったことは
ほとんどありません。
家族の小さな不調に分析で選んだ香りを
高濃度で塗ると、呼吸が整ったり
動きがスムーズになったり。
私自身もいろんな実験をしながらという感じですが
そんな日常の事実が積み重なっています。
そして、いつの間にか不調を
感じる機会事態も
減ってきています。
香りの効果か、皮膚吸収の薬理作用か。
見極めながら日々実践しています。
「香らす」か「塗る」かの見分け方
嗅覚反応分析の強みは、分析結果と症状から
「香らす」か「塗る」かを
根拠を持って見分けられる点にあります。
例えば、脳や自律神経などへの刺激が
必要な状態だと思われる場合の
不穏や感情の乱れが強いときは
揮発成分の嗅覚刺激で「香らせる」ことを選びます。
でも、筋肉に力が入りすぎていて
肩こりや循環不良のような身体症状が出ているとか
転んで青あざができている、という場面では
経皮吸収を活かした塗布を優先するといった具合です。
分析グラフのパターンと、
今のつらいことを組み合わせると
選択のヒントが得られます。
精油の化学成分からも
塗布向きなのか香り向きなのか
というのがだんだん見えるように
なってきます。
体全体の状態を今のその人ととらえる視点
この視点が腑に落ちたのは
嗅覚反応分析で学んだだけでなく
学んだことを実践で繰り返す中で
「体全体を一つのシステム」として
捉えられるようになったからです。
嗅覚経路は脳の扁桃体や海馬に直結し
感情調整や神経調整に強い。
経皮経路は静脈・リンパに乗って全身に広がり
持続的な身体サポートに適する。
両方を状況で使い分けることで
ケアの精度が上がるのを感じます。
施設では濃度を抑えますが
個人ケアでは高濃度を観察的に。
個人差がある、とよく言われる部分を
「個人差に対応できます」
にするのが嗅覚反応分析なんですね。
だから、ふつうは一番難しい「個人差」を
見極めるのが簡単にできてしまうんです。
今では、この「香らす vs 塗る」の見分け方や根拠を
現場の介護・福祉関係者や一般の方々に伝えるだけでなく
嗅覚反応分析士の方々にも
レクチャーする機会が増えました。
分析データを塗布の薬理視点を加えると
ケアの選択肢がぐっと広がる。
でも、その中でも「香らす」方が効果的
そんな場面もあります。
濃度の調整も、高濃度にすれば
より効果的、なんてことはありません。
そんな気づきを共有しています。
精油の扱いには常に注意が必要。
希釈比率を調整したり、変化を見ながら
進めるようにしています。
香りと体の対話へ
嗅覚反応分析を10年続けて思うのは
精油を使うだけではない、ということ。
嗅覚反応分析って学ぶと
一番初めに精油について学ぶ
講座があるんです。
だから、ついつい精油を使いたく
なってしまう。
でも、精油を使うというのは
一つの選択肢に過ぎないんです。
今の状態になったのは
「精油の成分が足りなかったから」
ではないですよね。
これまでの生活の仕方やクセ
食べてきたもの…たくさんのことが
絡んでいます。
偏りを生んだ原因になるものを
改善することもすごく大事です。
でも、まずは今起こっていることを
ひとまず落ち着かせてから
全体を整えていく、というのも
ありだと思っています。
その時に精油を使うというのは
すごく有効だったりするんです。
アロマ頼みになってしまっては
お薬が一つ増えているのと同じ。
目指すところはそこではなくて
自分の体で直していける体づくり。
嗅覚反応分析を使って、香りと体の対話を
少しずつ観察していくヒントになればと思っています。
※※※※※※※
今日の情報が、
読んでくださっている方の
参考になることを願っています^^
それではまた、明日このブログ
でお会いできたら嬉しいです。
八木 佳織
この記事を読んで、
ちょっと気になるな、と感じた部分があれば、
30分ほど、状況を整理するお話もしています。
今すぐ何かを始める前提ではありません。
考えを整理するだけでも大丈夫なので、
必要なタイミングでご相談ください。
https://www.reservestock.jp/pc_reserves_v3/courses/22308?course_id=155161
───
【次の記事】
介護する人が疲弊すると、どんなケアも続かないという現実
https://familyhealthmgr.info/kaigo-hihei/
【関連記事】
介護現場で「体の反応」をどう捉えるか ― 嗅覚反応分析という、もう一つの見方 ―
https://familyhealthmgr.info/kaigogennba-karadanohannou/


























