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理解しているはずなのに、心が追いつかないとき
介護の仕事をしていると、
「これは病気の症状だと分かっている」
「本人に悪気がないことも分かっている」
そんな場面に、日々向き合います。
それでも、
どうしても心が追いつかない日があります。
イライラしてしまったり、
必要以上に疲れを感じたり、
家に帰ってからも
同じ場面を何度も思い出してしまったり。
「プロなのに」
「分かっているはずなのに」
そうやって、自分を責めてしまう人も少なくありません。
前回の記事では、
入居者さんの言動が
「問題行動」に見えてしまう背景には、
その人の内側で起きている
心身の状態が、ふだんは見えないこと
理由が分からないまま対応し続けること自体が
しんどさにつながりやすいこと。
そんな構造がある、というお話をしました。
【前の記事】
同じ行動でも「問題になる人」と「ならない人」
https://familyhealthmgr.info/mondaininaru-naranai/
嗅覚反応分析は、
その見えにくい状態を
“見える形”にすることで、
行動を「問題」ではなく
「今の状態」として捉える助けになります。
これは、
介護される側を理解するうえで
とても大切な視点です。
ただ、それだけでは説明しきれない
「しんどさ」が残ることもあります。
それでも消えないしんどさの正体

入居者さんの状態が分かっていても、
対応が間違っているわけでもなく、
むしろ丁寧に関わっているはずなのに。
なぜか、心が重い。
余裕がなくなる。
同じことなのに、今日は特につらい。
同じ出来事でも、
受け止め方が変わる日があるのは
自然なことです。
ここで大切なのは、
ケアする側の心身の状態も
常に一定ではないということ。
本当は、
もっと穏やかに関わりたい。
冷静に対応したい。
プロとして、きちんとやりたい。
そう思っているのに、
なぜか言葉がきつくなったり、
心の中で否定的な考えが浮かんでしまったり。
そして後から、
「そんなふうに思う自分が嫌だな」
と、さらに自分を責めてしまう。
でも、その思考や感情は、
あなたの本質や資質そのものではない
かもしれません。
嗅覚反応分析の視点で見ると、
心身のバランスに
偏りが出ているときほど
思考や感情は、無意識のうちに
“しんどい方向”へ引っ張られやすくなります。
それは、性格や根性の問題ではありません。
「変わろう」としなくても、整うと関わり方は変わる

嗅覚反応分析は、
入居者さんのためだけの
ものではありません。
ケアする側が、
今の自分がどんな状態にあるのか、
どこに偏りが出ているのかを
知るためにも使えます。
偏りが分かると、
それを整える方法も見えてきます。
大切なのは、
「分かったから、頑張って変えよう」
とすることではありません。
整えていく中で、
気づいたら…
以前ならしんどく感じていた場面で、
「あれ、今日はそんなに気にならないな」
と思えたり。
いつの間にか、
少しだけ優しい声かけができていて、
後から自分で気づいたり。
ストレスを感じにくくなっている自分に、
ふと気づく瞬間があります。
頑張り方を増やすのではなく、
負担のかかり方が変わる。
無理に意識を切り替えなくても、
自然と受け止め方が変わっていく。
そんな変化が、少しずつ起きてきます。
(職員さん一人ひとりが
こうした視点を持てることは
現場全体の空気や、疲弊のしにくさにも
静かにつながっていきます。)
ケアする側も、整えていい

介護の現場では、
どうしても「支える側」
でいる時間が長くなります。
でも、
ケアする側の心身がすり減ってしまっては、
その関係は続いていきません。
嗅覚反応分析は、
入居者さんを理解するためのもの
でもあり、同時に
ケアする側自身を守るための視点でもあります。
自分を責めるのではなく、
自分を整える。
それもまた、
プロとして現場に立ち続けるための
大切な選択なのだと思います。
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今日の情報が、
読んでくださっている方の
参考になることを願っています^^
それではまた、明日このブログ
でお会いできたら嬉しいです。
八木 佳織
高級有料老人ホームのケアを、さらに質の高いものにするための“もう一つの視点”
https://familyhealthmgr.info/koukyuuyuuryouroujinnho-mu-kakuage/
この記事を読んで、
「うちの施設のあの方に、少し似ているかも」
と感じた部分があれば、
30分ほど、状況を整理するお話もしています。
今すぐ何かを始める前提ではありません。
考えを整理するだけでも大丈夫なので、
必要なタイミングでご相談ください。
https://www.reservestock.jp/pc_reserves_v3/courses/22308?course_id=155161
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【関連記事】
介護現場で「体の反応」をどう捉えるか ― 嗅覚反応分析という、もう一つの見方 ―
https://familyhealthmgr.info/kaigogennba-karadanohannou/




















