介護の現場や家庭で、
「同じことをしているのに、
なぜか問題になる人と、ならない人がいる」
そんな違和感を覚えたことはないでしょうか。
・同じ言葉を何度も繰り返す。
・さっき話したことを、また聞いてくる。
というのは、介護の現場では
いつものことかもしれません。
でもそれが、
ある人にとっては
「気にならないこと」なのに、
別の人にとっては「もう限界」
と感じてしまうこともあります。
行動そのものは変わらないのに、
あるときは「問題」とされ、
あるときは見守られる。
この違いは、どこから生まれてくるのでしょう。
香り+「触れる」ことがもたらした変化
https://familyhealthmgr.info/kaorihureruhennka/
目次
「同じ言葉の繰り返し」が、問題にならなかった理由

私の義母も、
ある時期から同じ言葉を何度も
繰り返すようになりました。
さっき話したことを、また聞いてくる。
少し前に答えたことを、
もう一度確認してくる。
でも私は、そのことを
「問題だ」と感じることは
ほとんどありませんでした。
それは、
嫁という立場でありながら、
ケアマネジャーとして
認知症の症状を知っていたからです。
「これは病気の症状だ」
そう理解できていたので、
その都度、まるで初めて聞いたことのように
笑顔で答えるのは全く苦ではありませんでした。
一方で、家族の中には、同じ場面で
強いストレスを感じていた人もいます。
「何度言っても同じことを聞いてくる」
「さっき説明したばかりなのに」
頭では
「病気だから仕方がない」とわかっていても、
感情が追いつかないこともある。
とてもしっかりした方だっただけに、
「前はこんな人じゃなかったのに」
という思いが、
しんどさを増やしてしまうこともあります。
ここには、
病気をどこまで理解しているか
ということと
家族としての感情という二つの面が
関係していたと思います。
問題に見えていたのは、行動そのものではなかった

ここで、私はあることに気づきました。
問題に見えていたのは、
義母の言葉そのものではなく、
それを受け取る側のしんどさ
だったのかもしれない、ということです。
その人の内側で何が起きているのかを知らないと、
表に出てきた言動だけを見て
「困った行動」「問題行動」
と感じてしまいやすいということなんです。
「問題」に見えてしまう、その手前で
「問題行動」と感じてしまうとき、
その背景にあるものに目を向ける余裕が、
どうしても持ちにくくなります。
それは、
受け取る側が気にしすぎているからでも、
我慢が足りないからでもありません。
介護の現場で感じるしんどさは、
気持ちの持ちようや根性論で
どうにかなるものではないし、
誰かが悪いという話でもないと思います。
ただ、
どうしてその言動が起きているのかを
知らないまま向き合うことは、
誰にとっても、とても難しいことです。
本来、その人の内側で起きている心身の状態は、
外からは見えません。
だからこそ、
私たちは表に現れている行動を手がかりに、
関わらざるを得なくなります。
嗅覚反応分析は、
そうした見えにくい状態を
「見える形」で捉えるための一つの方法です。
私自身、
義母と関わる中でこの視点を持てたことに、
とても助けられてきました。
嗅覚反応分析で「状態」として見るということ

嗅覚反応分析で状態を見ていくと、
そのときの心身の偏りから、
「今は、こういう言動が出ても
不思議ではない状態だな」
と予測できることがあります。
そうすると、
それまで「問題行動」だと思っていたものが、
「今の状態」として見えるようになります。
問題を消すのではなく、
見方が変わる。
それだけで、
関わり方も、受け止め方も、変わってきます。
状態がわかると、対応が見えてくる

嗅覚反応分析で状態を見ていくと、
その偏りを少しでも整えるための
関わり方や工夫も見えてきます。
・どう声をかけるか
・どんなタイミングが合いやすいか
・無理をしない距離感はどこか
「どうにかしなきゃ」ではなく、
「今はこういう状態なんだな」という理解があるだけで、
対応はずいぶん変わります。
そして、その人の状態を理解することは、
本人のためだけではありません。
介護する側にとっても、
「なぜこうなるのか」がわかることで、
余計な自責や苛立ちが減っていきます。
それは、
家族にとっても、
施設職員さんにとっても、
現場が疲弊しにくくなる視点でもあります。
「問題」ではなく「状態」として見る

同じ行動でも、
それを「問題」と見るか、
「状態」として見るかで、
関わり方は大きく変わります。
嗅覚反応分析は、
行動を評価するためのものではなく、
その人の今を理解するためのツール。
本人にとっても、
ケアする側にとっても、
どちらのためにもなる視点だと、私は感じています。
ただ、
理由がわかっても、
頭では理解できていても、
それでもしんどいと感じるときはあります。
「わかっているのに、つらい」
そんな感覚を抱くこと自体、
決しておかしなことではありません。
次の記事では、
介護される側の状態を知ることに加えて、
関わる側の心身の状態にも目を向けることで、
もう少しだけラクに受け取れる余地があることについて、
考えてみたいと思います。
【次の記事】
介護のプロでも「わかっているのに、しんどい」と感じる理由
https://familyhealthmgr.info/wakatteirunoni-purodemosindoi/
※※※※※※※
今日の情報が、
読んでくださっている方の
参考になることを願っています^^
それではまた、明日このブログ
でお会いできたら嬉しいです。
八木 佳織
この記事を読んで、
「うちの施設のあの方に、少し似ているかも」
と感じた部分があれば、
30分ほど、状況を整理するお話もしています。
今すぐ何かを始める前提ではありません。
考えを整理するだけでも大丈夫なので、
必要なタイミングでご相談ください。
https://www.reservestock.jp/pc_reserves_v3/courses/22308?course_id=155161
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【関連記事】
介護現場で「体の反応」をどう捉えるか ― 嗅覚反応分析という、もう一つの見方 ―
https://familyhealthmgr.info/kaigogennba-karadanohannou/






















